2015年10月27日火曜日

acoustune Resonate-HS1003購入

ヘッドホン祭で先行販売となった、acoustune社「Resonate HS1003」を購入しました。HS1001に引き続きレビューをしていきます。


・概要

Resonate HS1003は、acoustune社のイヤホンで二機種目の製品となります。愛称(?)のResonateとは、ラテン語で「鳴り響く」という意味だそう。実は最初は別の名前で売り出す予定だったのが、公表した後に同名の別のイヤホンがあることが発覚、急遽Twitter上で新しく名前を公募するという事態を経てこの名前に決まるという経緯がありましたw
他にも、発売前に視聴会を行った際にはイヤーフック部にワイヤーが取り付けられていたのですが、これがえらく不評を買い、外した方が良いと判断しその場で量産ラインにストップをかけてワイヤを取り外して製品化するなど、なにかと直前にトラブルが起こる製品だったようです。お疲れ様です…。
 
前作から成形方法を見直し、新しく開発された「myrinx」と名付けられた特殊素材の振動板を搭載しており、これにより高解像度の音質を実現しているとのこと。
また振動板だけでなく、外装やケーブルなども前作から大幅に改善され、値段相応の高級感有る外観となっています。
 
また、プラグを2.5mm4極(AKピンアサイン)に変更し、本体色を変更した「HS1005」も近日発売となっています。こちらは少々高くなっていますが、聴いた方は05の方が良いという人が多いみたいです。気になった方は是非聴いてみてください。


・外観

Resonate HS1003
ハウジング正面部分がドーム状に盛り上がり、インターホンロゴ部は印刷ではなくレーザー加工により窪みを持たせることで印字されています。前作より手間がかかっており、高級感も感じられる見た目となっています。かわいい。
そして外観で一番の変更点となるケーブル。ナイロン調の被覆となり、クセ付きは皆無、取り回しも大幅に向上しました!分岐後の長さも改善され、耳掛けにも十分な余裕を持たせて対応しています。このケーブル変更が何より嬉しいですw
ただし弱点として、逆に取り回しが良すぎてかなり絡まりやすいです。特に収納時が気を使わないと怖く、無造作にしまおうものなら地獄を見るでしょう…
逐一付属ケースに入れるなりの丁寧な扱いで対処しましょう。価格もそれなりですしね。
自分はマカロンケースのポケットを利用しこんな感じで収納してます
HS1001と並べて。やはりHS1003の方が高級感があるな~と思います。価格も上がりましたが…。

付属品。イヤーピースは標準の二段イヤピの他になんとspinfitイヤーピースがついてきます。付属品でspinfitがついてくる機種は地味にこの機種が初なのではないでしょうか?

あと地味にマカロンケースのロゴの配色もより鮮やかで綺麗な金色に変更されてました。

 
・音質

一言で言えば、「バランスよく解像度を向上させた万能型イヤホン」という印象です。
前作と同じく、やはり特筆するべき項目は音抜けの良さ、もっと言うとそれを生み出す解像度にあります。キャッチコピーである“ダイナミック型の音質を再定義しました”の言葉の本質はここに詰まっていると思いました。
特に良さを感じるのは中高域で、音の一粒一粒が非常に細かく、ザラつきは一切無く綺麗に耳に届くので気持ちいいです。立体感もHS1001以上に感じますし、基礎性能的な面での向上は価格上昇分なりにあると感じます。

音のバランス的には…ややフラットめのドンシャリといったところ。高域の質感が特によく、ピーキーさはほとんどありません。
低域はやや柔らかめです。カッチリタイトな音ではありませんね。押し出し感はありますが、量感が多めなので環境によってはボワつくかもしれません。ここは好き嫌いが分かれそうですが、HS1001で低域が…って思った方は聴いてみるとイイかもしれません。
で、ドンシャリらしくボーカル域は引っ込んでいます。以前もそうでしたが、今作は他の部分が良くなったために余計に浮き出てきた問題点かもしれません…
自分は基本インストばかり聴くのでそんなに気にしませんが、浮き出るようなボーカルが聴きたい!って方は…次を待ちましょう(ぉ
→(追記)ボーカル帯域に焦点を当てたHS1004が発売されました!機会があれば聴いてみてください。


上記は単体の評価ですが、以下HS1001との比較です。型番続出のためそれぞれ以下01,03と略します。
01では高域が刺さるように伸び、これが一種人を選ぶポイントとなっていたのですが、03ではこの刺さりは若干抑えられていますね。ある意味万人ウケする音になったかなーと思いました。
また、01ほど低域は硬くなく押し出し感も少ないため、ここが気に入っていた人は今回首を傾げるかもしれません。量感は03の方が多いかな?
自分は01よりも好みのバランスですが、01ほど刺激的ではないためにインパクトで圧倒はされにくいかなと思います。なので比較すると、美音系寄りのスルメな子かなと。


そういった意味で、最初に述べたとおりバランスの取れた万能型イヤホンであると感じました。実際HS1001よりも音源は選ばず、(ボーカル以外であれば)なんでもよく鳴らしてくれます。酷い音質の音源もうまいこと隠してくれるのはびっくりしました。
先程もちらっと言いましたが、ヘッドホン祭では一ヶ月前の試聴会の時に指摘されたボーカルやピアノ音源に対する不満を改善するべく、それらの帯域にピークを作った「HS1002SS」というモデルが参考展示されており、こちらも好評を博していました。製品化も検討するようなので、今後の動向が気になるところですね…!

ちなみにコスパという観点から見ると、HS1001のそれから下がっていると言わざるを得ません。さすがにHS1001が異常すぎました…
ですが、同価格帯としては十分に魅力ある機種であると思います。HS1001よりも素直におすすめできる機種になりました。

あ、あと遮音性がHS1001から格段に向上しています。音楽流していると電車のアナウンスが聴きとれなくなる程度です。
音漏れも同じく改善され、より使いやすくなりました。その割に音質的に音抜けがいいので漏れてないか凄く不安になるのですが…w
 
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なるべく贔屓目にならないよう気をつけて書いたつもりですが、進化しているところが多く結局ほめてばっかりになってしまった感じは否めませんw

今回の製品発売までの名称のトラブルからの公募、生産ラインを止めてまで行ったイヤーハンガーの解消、また試聴者の意見を取り入れ、一ヶ月で改善モデルを参考展示するなどといった意欲的な挑戦を見ていて、非常にメーカーさんがユーザーサイドの意見を聞き、取り入れることに積極的であることがわかり、製品とともに好感が持てました。
こういう素早い対応は大手メーカーでは絶対に不可能ですから、うまく ベンチャー企業としての強みを活かせていると思います。今後も目が離せないですねえ。

ではでは。

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