2015年5月21日木曜日

acoustune HS1001購入

春のヘッドホン祭2015で先行発売されたHS1001というイヤホンを購入しました。先行販売で一般販売される前になりますが参考になればということでレビューしていきます。
【追記】販売開始されてます!フジヤエービックとeイヤホンで取り扱いしてます。
【再追記】HS1001、惜しくも生産終了となり後継機のHS1003(Resonate)が発売されました。HS1001が気になった方はこちらも気にしてみるといいかもしれません。


・概要

acoustuneは香港の新興メーカーで代理店は日本ディックスという会社です。元々ポータブルアンプ「AS1001」を先に開発しており、試作を何度かヘッドホン祭やポタ研に参考展示されていました。

HS1001は同社初のイヤホンになります。ドライバを独自開発し、医療用途でも使用される特殊合成基材を用い、音質を追求しているとのことです。


HS1001はプロトモデルを聴いた時から購入を決めていたので先の祭では初日朝に速攻でゲットしてきました。プロトモデルから販売まで足掛け1年、販売予定日も延期に延期を重ね焦らされましたw
先行販売では14,800円、一般販売では16,800円とエントリー価格帯から少し高い程度ですが、後述しますがこの価格帯では群を抜いて音が良いと思います…!


・外観

acoustune HS1001
ハウジングはアルミ削り出しだそうです。インターホンみたいなお洒落なロゴが正面に付いています。
イヤーピースが2段になっているのが特徴的です。
ケーブルの付いている位置がK3003を彷彿とさせます。装着感は特別不満は感じませんでした。
 ベントは2ヶ所開いています。



ケーブル。非着脱式です。
テカテカしていて中華的なチープ感は正直拭えませんが、代理店のスタッフさん曰くタッチノイズを低減するためだそう。実際試作モデルに付いていた布巻ケーブルより大分抑えられていました。それでも布巻の高級感は欲しかったですね…

耳掛けせず普通に装着する際、ケーブル根元を耳たぶに付けるように少しひねるとタッチノイズが抑えられいい感じです。
プラグ根元はr字のような形状。軸方向からの負荷を逃し、断線しにくい構造になっていて好感が持てました。
付属パーツはマカロンケースとイヤーピースS、M(デフォルト装着済み)、L、コンプライと耳掛け用のイヤーハンガー。イヤーハンガーが付属しているのは珍しいかと。
ただ耳掛けするとケーブルの分岐後が短くなってしまい気になりました。
イヤーピースは全体的にやや小さめです。普段Mの人はLを使うくらいで丁度いいかもしれません。


・音質

聴いて最初に感じるのが、「音の抜けの良さ」「高域の伸びやかさ」。ホントにD一発か?と思う程に高域の伸び方が並のダイナミック型と一線を画しています。

プロトモデルの時からこの傾向は同じで、自分は値段を聞かずに試聴したのですがこの時点で購入を決意しました。値段を聞いてから聴くと異常なコスパに冷や汗すら覚えました。ヤバイ、と。

音の傾向としては所謂ドンシャリ型です。
低域は柔らかさを持ちつつもグッと沈み込み深低域から唸るように。跳ねと沈み込みのバランスが絶妙です。
中域から高域にかけてはややしっとりめですが暗い印象ではなく、伸び伸びと鳴ってくれます。

抜けの良さが相俟って音場は広く聴こえます。解像度もこの価格帯としては十分すぎるほどでしょう。分離はやや甘いように感じますが音源によってはマッチするので次第点か。

特徴的なのがストリングの鳴り方です。アコースティックでは弱音も余さず拾い、美しく響きます。ダイナミック型ならではの鳴り方だと思います。
エレキでも上まで綺麗に伸びてくれるので聴いてて気持ちいいです。


何より凄いと感じたのが、環境追従性能とでも言いましょうか、上流のポテンシャルに合わせてかなりハイレベルに対応してくれるところです。

自分と同じく先行販売で購入した(自分が購入後聴かせたら3秒で堕ちた)フォロワーさんと互いのポタ環境で合う音源を見つけるべく聴き比べを行いましたが、蔵→AlgoRhythm Solo db→RxMK3-Bの三段環境で聴いた音はおよそ1.7万のイヤホンで鳴っていい音ではありませんでしたw
それこそ笑みがこぼれる
レベル。アホかよって。

DAPやポタアンに投資した人にはそれはそれは如何なく応えてくれるでしょう。また、それらの試聴時に性能を図れるテスターとしても優秀だと思いました。今後の試聴用イヤホンにしていく予定です。


欠点としては遮音性が低く、音漏れがカナル型にしてはある方なのが気になるところです。電車ではiPhone直で音量半分も取ると隣の人に迷惑になりそう。
図書館やパソコン室などの静かな所での使用は難しそうです。ベント2つも開いてたらそりゃあね…といった所です。


打ち込みのシンバルなんかの金物はざっくり刺さります。かなり鋭いので、ここが許容できるかで人を選ぶと思います。ちなみに付属のコンプライで低域のアタック感と引き換えに程よく低減できました。
また聞いた話ですがスピンフィットを使うことでも刺さりを低減することができるそうです。こっちでは低域の質感はあまり変化しない模様。買わなきゃ。

ボーカルはドンシャリの宿命とも言えますが前には出てきてくれません。中域の引っ込み方は曲によっては気になりますね…価格帯的にも仕方ないところか。

ピークがかなり高いところにあり、個人的なスイートスポットからは少し上に外れていて残念なところです。とはいえかなりイイところまでいっているのですが。
(試作機でピーク違いを展示していましたが、製品版の一つ下にピークを置いたモデルがどストライクでバランスも一番よく聴こえました。製品版ほど高域は伸びませんでしたがトレードオフな所なのでしょう。こっちのモデルも売ってくれたらいいのにw)


合うジャンルはクラシックなどの空間が広い曲ですかね。金物の刺さりが許せればロック系も。個人的にはこういうイヤホンで聴くEDMも好きなのですが邪道と言われそうw
一般販売で狙っている方や気になっている方に参考になれば幸いです。

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いや、本当に恐ろしいイヤホンが生まれた。少なくともドンシャリ好きな方は買って損はないと思います。私小餅はacoustune及びHS1001を激推ししていきます。
祭でステマして回った際も「1.7万の音じゃない」「某社D型ハイエンドより好き」「買ってから迷え」などの数々の迷言を生み出した恐ろしい子です()

こういった新興メーカーから既存メーカーを脅かすような製品が出てくるのはコンシューマーとしては面白いところですね。一発目から派手に決めてくれたので、これからも期待が高まります。

それではこの辺で。
次回は自作ケーブルのついての記事になると思います。どーぞよろしく。

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